包装リースだより
包装リースだより(2015年9月号)
2015年09月15日
フロン排出抑制法とリース取引について
平成13年に制定された「フロン回収・破壊法」の改正が平成25年6月に行われ、平成27年4月から「フロン排出抑制法」として施行されています。
これは、①改正前の法律ではフロン類の回収率が3割程度に留まっている、②フロン類使用製品の使用時にフロン類が漏洩している問題が判明、③国際的にもフロン類の使用規制が強化されていることなどを背景に、フロン類の製造から廃棄までのライフサイクル全体を見据えた包括的な対策として改正されたものです。
改正前は、特定機器の使用済みフロン類の回収・破壊のみを目的として、その廃棄者に対して製品に充填されているフロン類の引渡義務等を課していましたが、改正法では、フロン類のメーカーや使用製品メーカー及び管理者(ユーザー)の各段階の当事者に法律上の義務等を課したものとなっており、大幅に規制対象者が拡大されています。
以下、今回の改正についてリース取引との関連をふまえ紹介します。
【対象機器】
第一種特定製品となる、業務用のエアコン(空調機器)と業務用の冷蔵・冷凍機器であって、冷媒としてフロン類が使用されているものが対象になります。
【管理者の義務】
管理者とは、第一種特定製品の所有権を有する者とされ、例外的に所有者以外では、契約書等の書面において保守・修繕の責務を負う者とされていますので、通常のリース契約においては、ユーザー様が管理者となります。
管理者は、①機器の設置環境・使用環境の維持保全をはかり、②簡易点検(3か月に1回以上)・定期点検(1年に1回以上)を実施して、③フロン類の漏えいが確認されたときは修理を行う必要があり、修理を行うまでは原則としてフロン類の充填はできません。④管理者は、点検・整備の記録を作成して、機器を廃棄するまで保存する必要があり、リース会社に物件を返還するときは、その点検記録簿の写をリース会社に提出します。
また、フロン類の漏えい量が事業者全体で一定以上(二酸化炭素換算で1000t以上)あるときは、漏えい量を国 に毎年度報告する必要があります。
改正法は既に施行されていますが、いまだに認知度は低いと思われます。違反した場合の罰則規定もありますので、詳細は、環境省・経済産業省等のホームページで確認願います。