9 収縮包装機
収縮包装は熱収縮性フィルム(シュリンク・フィルム)で商品を包んでシールし、加熱して被覆フィルムを収縮させ密着包装するものであるから、フィルムによる上包み装置と加熱炉(熱風炉)とからなる。この包装の発達した初期においては全くの手作業で上包みを行い、ついで半自動のシーラが用いられるようになった。現在でもL型の熱板シーラと加熱炉を組み合わせたL型シール方式収縮包装機がたくさん実用に供されている。
このほかにスリーブ方式収縮包装機があり、また量産品を処理するためには横型製袋充てん包装機を基本に作られたものを使うのがよい。
びんや容器のキャップを封印するキャップシール機とシュリンクラベルを利用して、容器の胴部にラベルをかぶせ、収縮するボディーシール機も収縮包装機の一種と言われている。
なお、パレット積みした貨物を熱収縮性フィルムで固定する機械はパレット・シュリンク包装機と言われている。
機械の種類
(1)L型シール方式収縮包装機
(1)の図は、ロール状の収縮フィルムを二つに折りながら被包装物(書類、お菓子を入れた箱等)にかぶせ、三面(前後、片端)を熱接着後、熱収縮トンネルを通過させ、密着包装する収縮包装機の動きを表したものである。
連続して包装するタイプと開閉式の熱収縮トンネルの蓋部に熱板を埋め込み、被包装物の供給、取り出しを人手で行う半自動タイプがある。
主な用途(使用例): 書籍、文房具、箱入り医薬品等
(2)スリーブ式収縮包装機
(2)の図は、熱収縮フィルムをかぶせ、フィルムの前後を熱接着した後、熱収縮トンネルを通過させ、両端が空いたスリーブ状に包装するスリーブ式熱収縮包装機の動きを表したものである。
主な用途(使用例): 紙容器・かん容器入り飲料水、乾電池等
(3)収縮包装機(横型製袋充てん包装機+熱収縮トンネル)
(3)の図はカップラーメン等を横型ピロータイプ包装機で包み、その後収縮トンネルを通過させ密封包装する収縮包装機の動きを表したものである。
主な用途(使用例): カップラーメン、酒パック、CD、化粧品等
(4)キャップシール機
(4)の図は、びんの上部にチューブ状の収縮ラベルを一定の寸法にカットしながらかぶせ、その後熱収縮トンネル(または熱風をあてる)を通過させ、密封包装するキャップシール機の動きを表したものである。
主な用途(使用例): びん製品等
(5)収縮ラベル貼機
(5)の図は、びんの胴体部にチューブ状の熱収縮フィルムを一定の寸法にカットしながらかぶせるか、巻きつけカットし、その後、収縮トンネルを通過させ密封包装する収縮ラベル貼機の動きを表したものである。
近年はラベルをボトルから簡単に分離するため、のりをつけながらラベル貼りするタイプが主流となってきている。
主な用途(使用例): びん製品等
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